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やりこみ要素のないゲームをやりこむ

  • やりこみの原因(id:k_u:20050213#p1)

キャッチ!タッチ!ヨッシー!は、やりこみ要素のないやりこみゲーだという話。

さて、原文を読めば個々のレビューは間違っていないと感じる一方で、「やりこみ」という言葉の使われ方の違いから、「やりこみ要素の無い、やりこみ型のゲーム」という、ややこしい総括が出来てしまうことは無視できません。

要素の幅広さも、攻略の奥深さも、結果的に「やりこみ」という行為に落ち着くのは理解できます…が、やっぱり結果は結果。常に文脈で区別されるとは限りませんし、原因による分類も確立されていないと、いつか誤解を招きかねないと思うのです。特に今回のような、殆ど深さだけのゲームが出現した場合には。

ここに挙がっている複数のレビューでは、「やりこみ」は2つの意味で使われている。

  • システムとして用意されている、幅広い(隠し)要素を網羅するためにやりこむ(幅のやりこみ)
  • シンプルなシステムのゲームで、ひたすらスコアアタック、タイムアタックをやりこむ(深さのやりこみ)

前者が「やりこみ要素」、後者が「やりこみ型」という単語で使われているから、一応区別はついているような気もする。だた同じ「やりこみ」という単語を使っている以上、解釈の誤解をまねきかねない危険性はあるね。

私は基本的に前者の意味合いで「やりこみ」という単語を使っている。「おっさんはゲーム体力がないからやりこみ要素なんていらん」という文脈で使われる「やりこみ」、プレイ時間の引き延ばしを図るためのシステム的なおまけを指す「やりこみ」だ。

やり込み要素の高いゲームなんかもはや迷惑以外のなにものでもない…。
エンディングが複数ある奴なんかも困る。

このような意味合いは、海外ではよく'replay value'という単語で表現される。ただこの単語も定義レベルでは「やりこみ」と同じくらいの曖昧さがある。

replay value: n. A game’s capacity to remain entertaining after several playings.

Replay Value / Replayability: How different the game is each time its played. The more different each playing will be from the last, the greater the perceived replay value.

「何回かプレイした後でも面白いか」「毎回プレイ内容が変化するか」を示す指標、ということだ。そうとう曖昧だが、どちらかというと深さを表す後者の意味合いのほうが近いかな。(ただここで挙げたURLはボードゲームの文脈での用語も含むっぽいので、ビデオゲームでの定義とはまたちょっと違うかも)

でもレビューサイトで使われる'replay value'は前者、つまり幅を持たせるための仕組みがどれだけあるか、アンロックされた車、ウェポンなどなどがどれだけあるか、レベルがどれだけあってクリアするまでに何時間かかるか、を示しているような印象を受ける。だから斑鳩のreplay value(id:ABA:20030717#p2)は低いわけだ。

I believe that you've got to have that thrill of discovery: something that the player must search for, or an area that becomes unlocked later in the game.

Another good thing I've noticed that can make a game addictive is to put challenge into it. That way, the player will come back, and keep trying until they beat it.

引用した部分の前者が「発見」(≒幅)、後者が「挑戦」(≒深さ)による'replay value'を示している。このスレでは挑戦やりこみの方が支持されているっぽい。まあそりゃ開発者コミュニティだからなあ。開発者は深さ優先のシンプルシステムゲーが好きだよね。そのほうが作るのが面白いし。

個人的にはスコアアタックなどのゲームへの挑戦を「やりこみ」と呼ぶことにはやはり抵抗がある。それは「やりこむ」までもなく普通にゲームを「やる」上であたりまえのことだと思っているからだ。まあでもこれも古い考えなんだろうなあ。もうスコアという概念自体、相当古臭いし。