今まで色々なアクションミニゲームを作ってきたが、作るときに一番難しく、かつ楽しいのがゲームのアイデア、ルール、内容を考える部分だ。ゲームを遊んだ、作った経験などから、行き当たりばったりにゲームアイデアを考えるのはそれはそれで楽しいが、もうちょっと系統立てて考える方法はないだろうか。
例えば、今まで作ったゲームが、どのような仕組みから出来上がっていて、その仕組みがプレイヤーにとってどのような楽しさや難しさを提供しているかを整理し、それら仕組みを組み合わせて新たなゲームを作るのはどうだろう。
試しにやってみた。
今まで作ったゲームが、どのようなプレイヤーキャラクタ、武器、障害物、フィールド、ルール、操作から構成されているかを、カテゴリごとのタグで整理した。上記ページでタグが一覧できる。各タグの詳細(Detail)ボタンを押すと、それぞれのタグの説明、およびそのタグが付加されたゲームの一覧が見られる。
例えばこれはプレイヤーキャラクタが回転するタグのページ。回転のタイミングに合わせて操作するゲームで、プレイヤーがタイミングを図る方法としてどのようなバリエーションが考えられるかが、ゲームの一覧からなんとなく分かる。
武器が放物線上に飛ぶ。投げ方や投げるもの、着弾した時の効果のバリエーションが分かる。
ペナルティのある物を混ぜる。何も考えずに攻撃を続けるのではなく、画面の状況をよく見て攻撃タイミングを図るタイプのゲーム。
到達することでゲームオーバーになる地点。ゲームオーバーになるリスクを与える方法のバリエーション。
近接ボーナス。障害物の近くにボーナス点を配置するのはリスク・リワードの基本。
ボタンを押したら属性反転。ワンボタンでできることの記事でもプレイヤー操作に対する動作バリエーションについて書いたが、タグに基づいて整理することで、より分かりやすくなるのではないだろうか。
これらページの使い方としては、
- タグ一覧ページを見てアクションミニゲームに組み込める仕組みを把握する
- タグ詳細ページを見てその仕組みを使った別のゲームを考える
- 複数のタグを適当に組み合わせてそれら仕組みを使ったゲームを考える
あたりを考えている。
こういったゲームの仕組みは、よくゲームメカニクスと呼ばれる。
ゲーム内でとれるプレイヤーの行動や、その行動に対応して起こるゲーム内の出来事などを整理したものがゲームメカニクスだ。あるゲームがどのようにデザインされているかを解析するためや、新たなゲームを考える際の助けとして使われたりする。ゲームプレイはゲームメカニクスの間のフローと言われたりするが、ゲームメカニクスをベースに、それらを組み合わせたゲームプレイ体験をどのようにするか、プレイヤーに対するチャレンジをどう与えるかなどを考えることができる。
ゲームメカニクスとしてどの程度の粒度のものを挙げるべきかは、特に決まった指標が無いように思える。ターン、リソース管理、リスクとリワード、など抽象的な要素をメカニクスとして挙げる場合もあれば、ジャンプ、シールド、回転、パワーアップなど細かなゲーム内アクションを挙げる場合もある。
今回は新しいアクションミニゲームを考える助けになるために、という目的のもと整理したかったので、後者の細かなゲーム内アクションに近い粒度でまとめた。あと各メカニクスに対してそれを取り入れた実例が見えることが、そのメカニクスをどのように他のメカニクスと組み合わせているか、どのようなリスク(チャレンジ)やリワードをプレイヤーに与えているかを把握することに重要だと思ったので、実例のゲームが見られて遊べるようにした。
自作ゲームを例に整理したので、アクションミニゲーム、とくにワンボタンゲームに偏重した内容になっていることは否めないが、ゲームアイデア発想法として良さそうかの実験くらいはできるだろう。まずはタグの組み合わせから新ゲーム考案というのが現実的かを試してみたい。