One would hope that in ten years time there's no longer static content because everything is generated on the fly.
画像生成AIであるMidjourneyのファウンダーDavid Holzが、ゲームから静的なアセットは無くなり、AIがオンザフライで作った各種アセットをそのまま利用できるような、巨大AIチップを搭載したゲーム機が10年後にはできるのでは、という話をしている。このようなゲーム機ができれば、ゲーム内のテクスチャやキャラクタは自動的に無限に生成可能になる。
なかなか野心的なビジョンだが、それでもゲームそれ自身が無限に生成可能になる、とまではいかないのかなあ。キャラクタ、エフェクト、サウンド、レベルデザイン、ストーリーなどに加えて、ゲームルールそれ自身まで自動生成可能になれば、もはやゲーム機はゲームソフトを必要としなくなり、無限のゲームをゲーム機自体が内包していることになる。
ゲームルールの生成が簡単でなさそうなことは、なんとなく分かる。
ちょっと思いつくだけでもこんな問題がありそうだ。
1.については、いくつかの解決アプローチがすでにありそうだ。OpenAI Gymでのゲームプレイヤー強化学習などはある意味ゲームルールの理解を行っているし、動画からパックマンを再現するGameGANもある。まあこれもプレイヤー操作と画面のシーケンスを解釈しているだけといえばそうだが、それは技術発展にどうにかしてもらおう。
そんでもってゲームルールのデータセットができたとして、問題は2.だ。絵の自動生成においては、対象となる物やアングル、画風などを文章、プロンプトで指定し、それらをなるべく違和感の無いようミックスすることによって生成することができる。
ではゲームルールにおける対象物、アングル、画風はなんだろう。登場するキャラクタ?2D・3D・横スクロールなどのアングル?シューティング・プラットフォーマー・FPS・MOBAなどのジャンル?既存のゲームの物理法則?目指すべきゴールや敗北条件?
仮にそういったプロンプトでゲームを自動生成できるAIができたとして、どのような文章でAIに作って欲しいゲームを教えるか、それを想像するのは面白いかもしれない。
じゃあここではディグダグの続編、ディグダグIIIをAIに作ってもらおう。
「武器で敵を無力化してそれを障害物でまとめて倒すゲーム」
これは多分全然ダメ。武器とは?無力化とは?倒すとはどのように?いやこの指示でディグダグとは似ても似つかない面白いゲームを作ってくれるのであれば、それはそれですごいけど。
「ディグダグとDo! Run Runを混ぜたようなゲーム。見下ろし型の2Dアクションゲーム。プレイヤーは敵を武器でふくらませたり破裂させたりできる。フィールドには長い障害物があり、転がすことができる。転がった障害物に潰された敵は倒される」
だいぶ具体化できた。ディグダグとDo! Run Runを知っている人ならだいたいどんなゲームか想像できるだろう。だがこの情報をもとにゲームを自動生成できるのであれば、それは夢のテクノロジーだなあ。単にこの2つのゲームを無理なくミックスするだけでも大変だし、さらにそこにこのゲームならではのオリジナル要素を他のゲームなどから借用できるとなると、凄腕ゲームデザイナーだ。
なのでゲーム完全自動生成コンシューマ機の夢はまだ遠そうな気はする。でもおそらく不可能では無さそう。まずは任意のATARI 2600ゲーム2つを混ぜてオリジナルゲームを作るあたりからなんとかしてはどうだろう。YAR'S COMMANDやMISSILE REVENGEの期待が高まるね。