プロシージャルに人の手を加えて

「プロシージャル」というのは、一般的な意味は別として、こうしたゲーム技術に関する場合は、たとえばフラクタル図形のように、固定されたリソースを必要とせずに何らかのリソースを生み出す場合に良く使われます。プロシージャルを使った時のメリットは、一つのプログラムで無限のリソースを生み出すことができることです。ゲームの場合だと、不思議のダンジョンディアブロのようなランダムダンジョンも、プロシージャルシステムの一つです。不思議のダンジョンディアブロがそうだったように、プレイヤーから見れば、無限の可能性を持ったゲームとなり得ます。

ただ問題なのは、プロシージャルに生成されたリソースは、多くの場合、プロによって制作されたリソースには到底かなわないことです。

つまりプロシージャルだけではゲームとしては不充分で、そこに人による意図、操作が加わっていないと娯楽として楽しいものにはなりません。SPOREで注目すべきなのは「このゲームにはプレイヤーが生み出す内容とプロシージャルな内容の2つがあり、しかもこの両者は密接に関係している」という部分です。

そうか「ランダム生成」じゃなくて「プロシージャル」って言うとなんかそれっぽいなにかに聞こえるのか。これからはそう言うようにしよう。

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という結論ではなくて、ランダム生せ……プロシージャルなシューティングゲームをいくつか作ってきた身としては気になる話。今まで主に弾幕を自動生成してきたわけだが、そこに人手によるなんらかの調整が加えられないかということは常々考えていた。ただSPOREみたいなシミュレーションゲームならともかく、シューティングみたいなプリミティブなゲームだと、人手をゲームにどうやって加えるかのうまい方法、ユーザインタフェースが思いつかなかった。

前にちょっと考えたのは、PARSEC47にキャプチャーを付けるという話。キャプチャーといってもGダラのそれとは違うもの。キャプチャーした敵はバリアになったり、敵に反撃してくれたりするわけではなく、自分の敵コレクションの中に入るだけ。気に入った弾幕を吐く敵が出てきたら、それをキャプチャーして虫かごに入れておくわけだ。

で、コレクションがある程度貯まったら、コレクションの中から適当な敵を出してステージを生成して遊ぶ。今度は自分で虫かごの中に入っていって、お気に入りの弾幕で思う存分死ぬことができる。

ただPARSEC47レベルでは、お気に入りとかそうじゃないとか判断できるほど明確に色が付いた弾幕が生成できていないので、ちょっと無理がありそうということでお蔵入り。人手を加えるのであれば、人手を加えることによって明確に差が出るほどのバリエーションをプロシージャルに作れることが前提条件なわけで、そこが難しい気がする。あんまり突き詰めていくとそれこそツクールになっちゃうしね。手間と手抜きのバランスがうまく取れた、プロシージャルなリソース生成ができないものかね。