物理演算チップPhysXでVoodoo時代の夢再び、か?

3DグラフィックスをアクセラレートするGPU (Graphics Processing Unit)では飽き足らず、こんどは物理演算をアクセラレートするPPU (Physics Processing Unit)だと。昔なつかしの3D専用チップVoodooと同じような位置づけを狙っているようだが、

だが一般ユーザーから見ると、GPUカードほど「見た目」には影響の無いPPUカードに2、3万円を投資できるのかという疑問が残る。3Dアクセラレーション黎明期のVoodooチップと比較する記事を多く見かけるが、GPUカードのときには既に2Dグラフィックスカードというものが存在しており、そこに3D機能が加わる形で普及してきた。今回はわざわざ新規にPCIスロットを一つ、物理演算のためだけに消費しなくてはならない。当時一斉を風靡した3D専用のVoodooは、コアゲーマーにこそ受け入れられたが、結局はnVIDIAに吸収され、生き残ることはできなかったのだ。

とまあなかなか厳しそうな感じはする。このアーティクルはだいぶ前の2005-06-15のもので、このころからPhysXは開発されていて、今年のGDCあたりでやっと物になったのかな。なので、

そして普及に手間取っていると、そのうち汎用化されたGPU物理エンジンを実行することができるようになるはずだ。既にGPUを用いた物理演算の研究は進められており、実際にXbox360に搭載された統合シェーダーではそういったことが可能となる。専用PPUカードを購入しなくても、ビデオカードだけで事足りてしまうようになると、一般ユーザーにとってはそのほうが良い選択肢となるだろう。

という懸念が現実になっている。

上手く実装すれば、GPUを高速な物理アクセラレータとして利用できるのではないか……とHAVOKとNVIDIAは考えたのだ。

どれだけうまくいくかはともかく、余ったGPUカードを挿しとくと物理シミュレーションがパワーアップします!という方が魅力的だよね。まあもちろんPhysX陣営も黙っているわけではなく、

We have demos which already show in a game setting how much more physics there is with GPU + CPU + PhysX processor versus only GPU (dual) + CPU (dual core). We will be making these available shortly and believe me you will be pleased.

There is a possibility that the GPU can supply limited snippets of “physics” effects. The GPU community has been trying to encourage the use of this functionality for years with limited success. As we’ve seen with 3D, there is nothing like dedicated hardware to allow interactive physics to be fully exploited in tomorrow’s games.

PhysXを作っているAgeia社CEOのManju Hegde氏いわく、GPU上での物理エンジンではパフォーマンスの点で問題があったり、限定的な物理エフェクトしか実現できないとかいう主張らしい。あと、

ATIも黙ってない。なかなか面白い技術競争が見られそうだ。

あーあとPhysXミドルウェア自体は、

PCについては、PhysXチップによるハードウェアアクセラレーションに対応すればライセンス料は無料となる。あるいは商業利用でなければ無料としている。

とまあ比較的のらプログラマーにもやさしいライセンス形態なのがいいね。ちょっと触ってみたくなる。PhysXチップはもう売ってるんだっけ?

これか。

限定販売で価格は9930ドルから。

ふざけんな。

カード単体の価格は明らかにされていないが、搭載PCのBTOメニューによる差額は299ドルとなっている。

買うとしても5月に出るカード待ちだね。