ACE COMBAT 5(PS2)

カジュアルフライトシムの最高峰の地位を確保しつつあるエースコンバットの最新作。で、カジュアルでないハードコアな現代機フライトシムは今や絶滅してしまったので自動的にモダンコンパットフライトシムの最高峰を獲得。おめでとう。さびしいね。

フライトシムに敵味方両方の通信が聞こえる無茶な無線を取り入れることでストーリーラインを取り込んだ点が最近のエースコンパットの特徴だが、AC5では2番機にレイジレイコを据えた上で一定時間以内に無線に返答しなければいけないLIPSも取り入れて微妙にサクラ大戦化が始まっている。もしAC5のセールスが良かったら他社も追随すべきか。アーマードコアへの光武の導入とかガングリフォンパワードール化とか。

ゲーム自体はあいかわらず非常によくできているが、4でのグラフィックスがあまりにすごかったために、5での驚きはほとんどなかった。ゲーム内容は4より洗練化されている点も多数あるが、それほどは変わり映えしない。最後のミッションをトンネル突破で盛り上げるのそろそろやめようよ。

エースコンバットはこのまましずしずと正常進化していってほしいけど、そろそろシナリオのバリエーションが厳しくなってきている印象もある。ダイナミックキャンペーンとストーリーラインの融合とか、ストーリー展開に幅をもたせるための新たな試みが欲しいところだ。

……なんかすごくネガティブな文章だな。別に面白くなかったわけじゃない。私はエースコンバットは3以外はすべて好きな人間なので、4の正常進化である5はものすごく楽しめた。ただここまでの完成度に達してしまったカジュアルフライトシムに対して、ハードコアフライトシムが無くなってしまったことがなんとなくさびしかった。TYPHOONにのってオーシア上空を飛んでいるとき、EUROFIGHTER TYPHOONを作ったDiD社は今なにやってるんだろうとかばっかり考えてたよ。