- Xbox360向けゲーム開発環境XNAにまつわるインディーズゲームシーン (http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=8)
- SIG-Indie4 Xbox360向けゲーム開発環境 XNAにまつわるインディーズゲームシーン (http://d.hatena.ne.jp/yara_naika/20091010/1255193000)
多くの人にお集まりいただき盛況のうちに終了できました。講演者、参加者の皆様、ありがとうございました。
今回はXNAでの開発の話よりは、Xbox LIVEインディーズゲーム (XBLIG)に関する様々な課題を取り上げるという方針でプログラムを作成したのだが、その目論見通り、XBLIG、特にその中でもピアレビューに関して非常に活発な議論をすることができたと思う。
XBLIGのピアレビューってのは、XNAで製作したゲームをXbox Liveマーケットプレースに上げる前に、開発者間相互でチェックする仕組みなのだが、なにぶんこのような取り組みは前例がなく、いろいろと問題点が見つかっている。特にレビュアーによってゲームを却下する基準がまちまちであるという点が大きな課題で、さらにこのレビューは全世界規模で行わるため、各国の文化的背景などによってこの基準が変化するという点が話をややこしくしている。
なので今回のパネルディスカッションでもまずこのピアレビューに関して取り上げたのだが、この話題だけでパネルの時間の半分を軽く持って行ってしまって、まだまだ語り足りない感じになってしまった。実はあれでもまだピアレビューに関する話題を全部取り上げているわけではなくて、当初の議題案では、以下のような内容も議論できたらなと思っていた。
- 今のピアレビューは全世界共通のルールによってレビューが行われているが、日本国内配信限定のローカルルールなどを設定することは意味があるか、可能か
- ピアレビューの審査基準を、単にゲームを発表したいと思う人向けの比較的緩めのローエンドルールと、ちゃんと自作ゲームで利益を生み出したいと思う人向けの厳格なハイエンドルール、この2つにわけるのはどうか
パネルの残りの時間はゲームの価格設定について議論した。ここでタイムアップだったのだが、実際はまだまだ議題だけは用意していて、
- XBLIGのもろもろの課題
- 現状XBLIGでは実績が使えないが、実績ポイントなしでいいので実績システムを導入することはできないか
- 完全版購入以外で開発者に報いるシステム、例えばゲームのオリジナルアイコン、テーマ、追加スキンなどの販売、購入はできないか
- 現状の体験版は8分間で必ず終了するという縛りがシステム側で強制的に設定されているが、そのほかの体験版システムは考えられないか
- 日本国内からロイヤリティを受け取るまでの仕組みがあまりに複雑だが、簡略化する方法はないか
- ゲームの売りこみ方
- XBLIGでは、Xbox360の国別普及台数などの要因もあって、海外向けに作ることが配布数を増やすためには重要だが、海外向けに作るにはどういった工夫が必要なのか
- 国内向けに作るという選択肢は本当にないのか
- マーケットプレース上で最新作以外がすぐにうずもれてしまう問題の解決策はないか
などを考えていたのだが、この辺までは全然取り上げられなかった。今回のペースでいったらこれら全部議論するには3〜4時間は必要な感じ。
この辺の話題に関して引き続き議論して、その内容を改善要求としてマイクロソフトまで届けるには、フォーラムを活用してくれ、というのがマイクロソフトのXNAチームの方々のコメントだった。フォーラムで活発な問題提起がされているということが、実際にその問題解決に動く際の根拠として重要なようだ。
- コミュニティー フォーラム (http://forums.xna.com/forums/default.aspx?GroupID=16)
なので、今回のXNA研究会で挙がった課題を検討するにはフォーラムを活用するというのが一つの手だ。また、定期的に開催されているXNAユーザーラウンドテーブルに参加する方法もある。
- XNA ユーザー ラウンドテーブル 10 月を開催 (http://creators.xna.com/ja-JP/news/roundtable0910)
当初XNAだけで研究会1回まるまる使うと聞いたときは、そんなにネタあるのかねと思っていたのだが、ふたを開けてみれば1回じゃ足りなかったという感じになった。全世界のコンシューマゲーム機へアマチュアゲームを届けるというXNAの取り組みの新しさのせいもあって、いろいろと議論アイテムにはことかかないのがXNAの面白さでもある。それら議論アイテムを通じて、XNAをさまざまな側面から考えることができたという点でも、今回の研究会はいろいろ収穫があったと思う。