メイドイン俺のくみたて道場がすばらしい

とりあえずメイドイン俺で真ん中のモアイが吐くイオンリングを撃ち落とすゲームを作ったりした。ゲームエディタとしてはいい割り切りをしていて使いやすい。ぶったいの管理とそのAI編集メニューが微妙に離れてるとか、AIが乗ってるぶったいが消せなかったりとか、まだちょい気になる点はあるが。

  • ゲームは5秒
  • 結果は成功か失敗のみ
  • 自機と呼ばれる概念は基本無し

というメイドインシリーズのフォーマットだからできた割り切りがうまい。

  • ゲームははいけいとぶったいのみで構成
  • キッカケ→アクションというイベントドリブンな制御のみ(これをAIとよぶ)
  • キッカケ、アクションともに6種類のみ
  • フラグに相当する概念のスイッチは1つのぶったいに1つのみ

いわゆるサイコロすらないという、ゲーム向けにしては思い切った機能の絞り込み。なのでゲームというよりはインタラクティブな絵を作っている感じ。でも相当のバリエーションに富んだ動作を作ることができる。

作り方教室の丁寧なチュートリアルもよいできだ。しかしそれよりも、そのあとに遊べるくみたて道場がすごい。ある特定の動きを実現するにはどういったAIを作ればいいか、というのを穴あき問題で出題してくるモード。プログラムのパズルとしての楽しみを非常にうまく抽出していて感動した。前に言ったようにメイドイン俺にはサイコロ、乱数の概念がないのだが、それを「ぶったいの初期位置を画面内のいいかげんな場所にする機能」+「画面右半分にそのぶったいがあるというキッカケ」の組み合わせで実現せよ、みたいな問題が出てくるのには驚いたね。このように限られた機能で無茶をすると面白いよ!という誘導をするツクールは初めてなんじゃないか。

あと基本虫食い問題なので、あらかじめ設定されているAIを読み解く能力が求められるのも面白い。これは明らかに製作者も狙ってやっていて、途中で以下のようなメッセージが出てくる。

自分でくみたてたAIならまだしも、ほかの人がくみたてたAIをよんで、ぜんたいのこうぞうをりかいすることは、むずかしいさぎょうです。

しかし、このもんだいをとけたアナタには、そのそしつがあるかもしれません。よくできました!

つまり他人のコードを読む能力を養いなさい、と言っているわけだ。いいメッセージだ。

というわけでメイドイン俺はまじなゲーム作成ツールではぜんぜんないが、プログラミングの楽しみを知る入り口としてはとてもいい感じだ。まあでもどちらかというとAIに凝るよりはかっこいい絵を書けたほうが楽しいものは作れそうなので、絵心がある人向けな感じは否めない。プログラマ向けにくみたて道場ばかり遊べるバージョンとか作ってくれないかなあ。